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第二話 ママと独り暮らしの青年
夜の街の片隅に、小さな看板が光っている。 《Bar ルビーの指輪》――淡い赤のネオンが夜風に揺れるように瞬いている。 ドアを開けると、濃いめのアイラインに艶やかなドレス姿のママが迎えてくれる。 昼間は「コミンカスタイル不動産」営業マン岡(おか)、夜はおかまバーを営むママ――それが「オカママ」の裏の顔だった。

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「いらっしゃい、あら見ない顔ね。おひとりさん?」 「は、はい……仕事帰りで……」 入ってきたのは、スーツの袖が少しくたびれた若いサラリーマン。 カウンターに座ると、重い溜息をひとつ。 「もう、会社もしんどくて。帰っても狭い部屋で、何もやる気が出ないんです」 「アンタ、まだ二十代でしょ? “疲れた”が口癖じゃ、幸せもドン引きよ」 ママはグラスを磨きながら、ウインクをし、彼に見合うカクテルを作った。

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「でも……ほんとはギター弾きたいんです。学生のころは夢中だったけど、今の部屋じゃ音が出せなくて……」 「好きなことしなきゃ、人生なんてあっという間に終わっちゃうわよ」 ママはくすりと笑い、チェイサーを差し出す。 「いい? 部屋ってのは人生の器。狭すぎりゃ、息苦しくなるもんよ」

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翌日、昼の顔――「コミンカスタイル不動産」の岡(オカママ)は、青年を案内した。 「ここよ。職場までは車で35分、電車も使える。少し田舎だけど、静かで防音もしっかりした平屋よ。前の住人も音楽やってたから、ギターも思い切り弾ける」 案内された物件は、築40年ほどの平屋。 庭には小さな畑と木々があり、窓からは海が見える。 古いながらも壁は厚く、防音性能があるため、音が外に漏れにくい設計だ。 青年は腰を下ろし、ギターを抱える自分の姿を想像した。 「……ここ、すごくいいです」 「でしょ? 夢にフタして生きるなんて、アンタには似合わないわ」

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その日から青年は再びギターを弾き始めた。 都会の狭い部屋ではできなかった音色が、田舎の空気の中で生き生きと響く。 心に余白ができ、少しずつ自分を取り戻していく感覚があった。 夜。再び《Bar ルビーの指輪》。 ママはグラスを拭きながらつぶやく。 「物件も人生も、広げれば音が響くのよ。  アンタもいい音色、鳴らしてきなさいな♡」 カウンターの奥で、ママは小さく口笛を吹いた。 そのメロディは、店中をあたたかく包み込んだ――

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